ある日突然、自分の身の回りが急に変わってしまうような体験を、あなたはお持ちでしょうか――。例えば宝くじが当たって突然大金持ちになったとか、素晴しい人が現われて理想的な結婚ができたとか。

 実は私も、ある日突然・・・という体験をしたのです。それは、観音さまが夢の中に現れたことから始まりました。

  昭和57年3月22日のことです。この日明け方に近く、私は夢を見ました。それは途方もなく大きな観音さまが、海から湧き出てくる夢でした。観音さまのまわりには五人の如来さまが、喜びをたたえた表情で踊っていらっしゃいました。目が覚めてもこの光景は、私の頭にはっきりと残っていました。

 この夢が意味することを理解できたのは、それから8日経った3月30日のことです。
 朝のおつとめを終えてロウソクの火を消そうとしたところ、ロウソクの横に溶けたロウの固まりが付き、人間の立ち姿のような形になっているのを見つけました。

 なにげなく手を触れると、そのロウの固まりはぽろっと私の掌に落ちました。驚いたことに、掌の中のロウをよく見ると、それは神々しく輝く観音さまのお姿そのものではありませんか。おそるおそる小さな木の台に立ててみると、胸にありがたさが溢れ、感動が込み上げてきました。合掌したまま深く深く頭をたれた私は「ありがとうございました」と言うのがやっとで、後は言葉になりませんでした。それ以来、私はロウの観音さまを仏壇に納め、毎日感謝の心でおつとめを続けました。

 転機が訪れたのは5月の初めのことでした。ある朝、おつとめをしている私の心に、観音さまのこんなお言葉が伝わってきたのです。

  「世の中には何百万人という人たちが救いを求めています。
   苦しんでいる人々を救いなさい。」


  なんということでしょう。ちょっと信仰深いだけの平凡な一人の人間である自分にそんな力はないと、私は葛藤しました。けれど、観音さまはお聞き入れくださいません。考えに考えた末、私は観音さまのお役に立とうと決心しました。
  やがて、悩み苦しんでいる人たちが私の前に次々と現れるようになりました。そしてその度に、観音さまは私に導きの言葉を与え、より良い方向へと案内してくださいました。

  あれから20余年の月日が流れました。
  私はいま、観音さまに生かされ導かれながら、皆様の悩みや苦しみに応え、お導きすることを心から望んでおります。